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【暮らし】繰り返される「国家の物語」と個人の目覚め

NHKがワクチンによる健康被害を特集した。あの報道を見て、思わず苦笑いしてしまった。かつてはワクチン接種を「義務のように」推奨し、不安を煽るような報道があふれていたのに、今さら「被害が出ています」とは、どこか戦前・戦後の報道と重なる。「問われる"救済”と"教訓"」というコピーは笑うしかない。

 

実のところ、私はワクチンを一度も接種していない。ゼロ接種で、コロナにも一度も感染しなかった。それを人に話すと驚かれることもあるが、これは事実だ。もちろん、用心はしていたし、体調管理にも気を配っていた。しかし、「接種しないこと」は決して反社会的な行動ではなく、自分自身の選択だった。

 

当時、テレビも新聞も「打たないと危険」「みんな打っている」と連呼していた。異を唱える者は「反ワクチン」「非科学的」とラベリングされた。でも今、あれほど煽っていたメディアが謝罪めいた報道をするのを見ると、やはり「これは一体何だったのか」と考えざるを得ない。

 

歴史は、国家が大きな物語を語り、人々がその物語の中に巻き込まれることで進んできた。戦争も、感染症も、その構図は変わらない。けれど、私は自分の人生を「物語の一部」にはしたくなかった。だから、自分の判断で選び取った。そして、それは間違いではなかったと今、確信している

 

今回のNHKの特集で、ようやく目が覚めた若い人も多いだろう。情報は、常に誰かの意図が混じる。だからこそ、自分の目と耳と心で見極める力が必要だ。

 

 

国が語る物語にすべてを委ねてはいけない。静かに、しかし確かに、自分の頭で考え、自分の身体を守る。そんな「個」の覚醒こそが、これからの社会を形作っていくのではないだろうか。